日本の陶器

とても身近でありつつも、価値の高い民芸。その民芸についてさらに知ることができれば、より民芸を楽しむことができます。

民芸の概要や、民芸ができた背景など、民芸のより深い部分に迫っていきましょう。

民芸とはどのようなもの?

民衆から生まれた工芸品

民芸は、民衆的工芸品の略です。つまり、民衆から生まれた工芸品ということになります。

工芸品には、高価で大衆的に使われないようなものもあります。それらに比べて日常的に用いるものも、民芸であると言えるでしょう。

つまり、民芸品は質は良いですが、世間一般で馴染み深い工芸品のこととなります。

地域の特色を生かしているのも特徴

民芸の大きな特徴であるのが、その地域の特色を生かしている部分です。

地域の歴史的な背景、特産品など、様々な要素が複合的に重なり、地域独自の民芸品を作り出します。民芸の品が旅行に来た時のお土産になることが多いのも、民芸が地域の特性を大きく反映していることに由来しています。

そのため、民芸=地域性を表す工芸品とも言い換えることができます。その地域の民芸を見ることで、地域の特色が分かるのも面白い部分です。

民芸と関係の深い柳宗悦さんについて

思想家として有名な方

柳宗悦さんをご存知でしょうか?もしかしたら、知らないという方が多いかもしれません。しかし、この柳宗悦さんは、民芸の父とまで呼ばれるほどの功労者でもあります。

その柳宗悦さんは、思想家、哲学者として活躍されていた方です。また、美術についての知識も深く、哲学的な執筆活動をする傍ら、美術作品についての執筆も行われていました。

文化功労賞を授与されるなど、日本の文化や思想などに大きな功績を残した方であります。

民芸の素晴らしさを提唱される

今でこそ、民芸は素晴らしいものだという価値観がありますが、柳宗悦さんが民芸の素晴らしさに気づくまではそれほど民芸の良さは一般的に認識されていませんでした。民芸品はただ単に、日常的に使用する手工芸品であるというだけだったのです。

柳宗悦さんは、名もなき職人たちが作る、大衆のための手工芸品にも素晴らしい価値があると提唱されます。そして「民芸」という概念を啓発するようになるのです。ちなみに、民芸という言葉自体が、柳宗悦さんらが作った言葉でもあります。

この民芸という概念から、民芸の価値を高めたり再認識したりする運動、民芸運動へと繋がっていきます。

日本の民芸についての基礎知識はこちらの記事でどうぞ。

民芸運動について

「用の美」の価値を認識する運動

現在の民芸は、一定の地位を得ています。その地位を築くきっかけになったのが、民芸運動というムーブメントです。

民芸運動の中心人物になったのが、前項でご紹介した柳宗悦さんになります。柳宗悦さんの民芸に対する価値観に共感した思想家や芸術家などによって、民芸の素晴らしさを説くという運動が起こったのです。

その民芸運動のキーワードとなるのが、「用の美」というもの。一般的な美術品は、鑑賞するだけであり、日常生活では使用しないものです。その点、民芸品は日常的に使用することの中に美しさがあります。

民芸運動はこの用の美の価値を認識する運動なのです。

現在も続く民芸運動

民芸運動が起こったのは、大正15年です。日本の民芸を広く知らしめるために、民芸に関する美術館を設立する意見書(日本民藝美術館設立意見書)を提出したところから始まります。

さて、この民芸運動、開始から多くの時間が経過していますが、実は現代でもその運動の流れは引き継がれています。柳宗悦さんが初代館長となった、日本民藝館を中心として民芸の素晴らしさが広報されていますし、日本民藝協会の日本工芸館などでも、民芸の啓発活動が行われています。

このように、大正時代に始まった民芸運動は、現在でも続いているのです。

まとめ

民芸は日常的に用いる道具であるとともに、道具としての美しさにも価値があります。そして、その価値は柳宗悦さんなど、民芸に関心を寄せた多くの方の働きによって気づくことができたという歴史的背景があります。

民芸の素晴らしさ、そして深い歴史的背景を知ることで、より民芸について関心を高めて頂けたのではないでしょうか。