私たちが住む日本の文化には、とても多くの魅力があります。それらの魅力の一つであるのが、日本の民芸ではないでしょうか。
日本の民芸には、とても奥行きのある良さがあります。その素晴しい日本の民芸について、魅力や特徴をご紹介いたしましょう。
目次
日本の美しい陶磁
北海道から沖縄まで:産地によって特色がある
陶磁は、特別な粘土を使って成形をし、高温で焼き固める製品です。日本ではこの陶磁の文化が栄えており、非常に多くの種類が生産されています。そして、その陶磁の種類は各地方によって違った特色があります。
日本でも有名な陶磁の生産地があり、特に国内シェアの半数以上を占めている美濃焼などが有名です。この他にも、北海道から沖縄まで様々な陶磁の産地があり、それぞれがその土地の風土や歴史から発展した陶磁の加工を行っています。
これだけ産地が多いですので、今住まわれている地域にも有名な陶磁の製品があるかもしれません。興味が出た方は調べてみてください。
素材や焼き方によって表情の違いが出るのも魅力
陶磁は土で成形して焼くという工程は同じです。しかし、それに用いる土の種類や、焼き方を変えるだけで、陶磁の表情に違いが出てきます。これも陶磁が持つ大きな魅力であると言えます。
その種類は、大まかに分けて土器、セッ(火へんに石と書く)器、陶器、磁器の4種類になります。
土器から磁器に向かうにつれて、素材にケイ素が多く含まれるものを用いるようになり、焼きを入れる作業の火力が高くなります。そして土器は透明度が少ないのに対し、磁器に向かうほど透明度が高いのも特徴です。
このように、陶磁は素材、焼き方を変えて工夫をしていることで、色々な美しさを見せてくれます。
世界には、日本とはまた違った魅力的な焼き物がたくさんあります。その一例をこちらの記事で紹介しています。ブラジルのマラジョー焼きです。
奥深い日本の染織
日本の染織の歴史はとても長い
染織とはその名称の通り、麻や絹などの素材を染めて織り、布状にしたものの製品です。このことから、糸を染料で染める技術と、素材を織る技術の二つが必要になります。
日本でこの染織の技術が民芸品として確立され始めたのが、6世紀後半から7世紀にかけての頃です。
そのため、染織の歴史はとても深いことが伺えます。
平安時代や室町時代、江戸時代という各時代を経ることに進化をして、今の染織のクオリティとなりました。
また、日本各地には有名な染織産地もあります。それらの地域で作られたブランドのある染織は、海外の方にも人気の高い代物となっています。
見た目だけではなく実用性も高い染織
染織は染料の鮮やかさや織り方の特徴から、とても美しい外観で私たちを楽しませてくれます。
そのため、とても芸術性の高い民芸品であるのは言うまでもありません。ですが、染織の魅力は見た目だけではありません。実はその実用性も高いのが、日本の染織なのです。
染織の実用性の一例として、丹後ちりめんはでこぼこな独特の織り方によって、染織の品にシワがつくのを防ぐ性能を持っています。このような点から、実用的であるのが染織の素晴しい点になります。
染織は着物などの長く愛用できる衣類に多く用いられるようになっているのです。
日本の木工・彫刻・漆工について
繊細な技術を用いる木工
日本は自然が多い環境であることから、木材とも密接な関係があります。そして同時に、木工の技術も歴史の中で磨かれ、育まれてきました。
木工については建築の技術にも生かされている、指物の技法が有名です。接着剤も用いずに、完全に木材と木材をくっつける技術は、日本が誇れる職人技になっています。
またこの他にも、木独自の素材の良さを生かした、繊細な作品が多いのも、日本の民芸としての木工の特徴です。
細部まで作り込まれた彫刻
木が身近な日本において、木工と同時に発展してきたのが彫刻の技術です。海外では石膏の彫刻が有名ですが、日本では木彫りの彫刻が長く伝統技術として継承されています。
彫刻の民芸品として有名なのは、北海道の名産となっている木彫りの熊です。
北海道だけではなく他の地域でも、彫刻家達が細部まで彫り込まれた彫刻の民芸品を作り出しています。
装飾性の高い漆工
漆工とは、漆を行く層にも塗り重ねて艶を出すとともに、様々な装飾を行う技法です。民芸品にもその漆工の技術は生かされています。
漆を使った作品は高い職人技が必要であるため、誰でもが作れるものではありません。ですので、それなりに品数も限られてきます。
漆工で作られたものとしては、仏像や茶碗などがあります。これらの製品は、博物館に飾られるような歴史あるものもありますし、一般の人でも購入できるものまであり、幅広く親しまれています。
まとめ
日本の民芸は、今回ご紹介したようにとても奥が深く、魅力に満ち溢れています。
まだまだ紹介できていない魅力が沢山あります!
機会があればさらに深い部分にまで、日本の民芸について調べてみてはいただければと思います。